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24 わたしが今、欲しいモノ!

LA VENTIQUATTRESIMA PUNTATA  "SÌ, LO VOGLIO ADESSO"

第24話 わたしが今、欲しいモノ!

ローマに住んで6年が過ぎた。
日本とイタリアではどちらが好き?とか、どちらが住み易い?とかよく質問されるのだが、
さまざまな点を比較していくうちに、甲乙付け難くなって、
いつも返答に困ってしまう。

イタリア企業で一般事務員として働いている。
自分の生まれ育った国ではないから、
イタリア人たちの習慣や行動を理解できずに悩むことも往々にしてある。
それでも、国際的な、現在のわたしの職場は居心地がいい。
イタリア語・英語・ドイツ語が必要とされ、
必ずしも日本人であることが求められてはいない仕事内容なので、
自分自身のスキルアップになる。
一応気に入っている。

こういった職場環境を日本で見付けるのは困難だろう。
それに、日本でやりたいと思う仕事自体が今のわたしにはない。
帰りあぐねている。

しかしながら、家族と友人、日本食は恋しい

日本で一人暮らしの経験のないわたしは、
ぬくぬくとした実家での、両親との生活しか考えられない。
まだ見ぬ産まれたばかりの姪っ子、食べ歩きやウインドウショッピングに付き合ってくれる女友達、
たまのお洒落な夜景ディナーに招待してくれるボーイフレンド…。
みんなに会いたい。

家で白いご飯を炊いてふりかけをかけて食べたり、
雀の涙ほどではあっても給料が出ればお寿司を食べに行ったりする。
そうは言っても、豆腐や大根、佃煮やおでん、日本の食材はいつでも手に入るわけではないし、
日本料理店で食事をし続ければ出費が結構かさむ。

だから散々周囲に漏らしている。
日本の実家から、ここイタリアの職場まで、
なんとか毎日通勤できないかしら。
わたしが今、欲しいモノとは、
日本・イタリア間を、通勤片道2時間くらいに縮めてくれるジェット機である。
現在のテクノロジーで、直行便なら12時間。
しかし12時間では、行って帰って1日が終わってしまう

このジェット機の実用化が、叶わぬ夢のまた夢、
そんな2007年の現代でわたしは、職場から徒歩15分のところに仮住まいを置いて、
両親と、ではなく、日本人の同居人と暮らしている。
そして、年に二度の長期休暇と一度の出張、合計三回の帰国ができるのを心待ちにしている

「どこでもドア」を、と言いたいところだけれど、
ドラえもんがいないことを知っているわたしは、
航空機製造メーカーさんたちにお願いする。
日本からイタリアまで、2時間で飛べるジェット機が欲しいの、と。
いや、2時間とは言わない、片道3時間くらいまでなら我慢できるから、そんなジェット機を造って下さい。
お願い!

(2007年6月執筆を10月改訂)

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